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Lumen gallery NEWS LETTER

Lumen galleryでは、活動記録とメディアアーティスト・研究家の森下明彦氏による連載「メディア都市京都」を収録したニュースレターを不定期に発行しております。ギャラリーや周辺にて配布しております。また過去の印刷用データを下記からダウンロードすることができます。

EXHIBITION REPORT
メディア都市京都


EXHIBITION REPORT


MIRAI EXPO アニメーション作家・水江未来の宇宙 2015年5月1日~6日

Lumen gallery オープニング企画

映像ギャラリーである Lumen gallery 最初の展覧 会としてアニメーション作家・水江未来氏の個展 を開催した。アニメーションとはよく目にする、いわゆる「アニメ」ではなく「アニメーション」という多様な表現のジャンルのことで、その中でも水江氏は現在の日本では異端である” 抽象アニメーション” の作家である。彼の作り出す抽象アニメーションの世界は狂気に満ちている。取りつかれたように動きまくる生き物のような記号たちは不思議と心地よい時間を作り出す。意味を求めずただ動いているもので眼を楽しませる快感は、過去に相原信洋氏の作品を観 た時に通ずる。相原氏の作品からは 70年代のサイケデリックな香りがいつもしており、音楽もエスニックなものがよく似合っていた。それに対して水江氏の作品は、その唯一無比とも言える独自のスタイルを貫きながら、商業的な分野でも活躍出来るポップなテイストに仕上がっている。実際に制作されたミュージッククリップを観ても実にしっくりと画面と音がマッチしており、楽しげな雰囲気が作られている。その反面「MODERN」(2010)を大野松雄氏が音響デザインしリメイクした「RETRO FUTURE」のように大野氏のスペーシーなサウンドにも負けない画面を作り 出す懐の深さも非常に興味深い。そんな魅力的な作品たちは世界中の映画祭でも称賛されている。それらを一つにパッケージし公開された映画「ワンダー・フル!!」のトリを務める「WONDER」は狂気に磨きがかかり、1日1秒1年間制作された約6分ほどの中に展開されるアニメーションは、作品(制作)時間と共にいろいろなものが削ぎ落とされ、意味やストーリーなどなくても観ているものをハラハラドキドキさせ心をつかむ。一般的に視聴者は映像に対して意味を求めがちであるが、その呪縛から逃れて新しい表現をしようともう100年も前からオスカーフィッシンガーやノーマンマクラレンといったアニメーション作家たちが抽象アニメーションを制作し挑戦を続けてきた。その甲斐もあってか映像表現の中でアニメーションは最もハイコンテクストなジャンルで抽象的な表現は受け入れやすい面はあるが、それでもまだ意味やストーリーを求めてしまう人は多い。つまり意味がないことを嫌う人は多い。そんな中90分の劇場版抽象アニメーション「ワンダー・フル!!」を全国劇場公開したことは快挙である。多くの人が本能で楽しむ無意味の有 意義を感じたに違いない。またクラウドファンディングを活用し、35mm でのフィルムバージョンまで制作されたことも興味深い。今回の個展では、「ワンダー・フル!!」で上映された作品だけでなく、未公開のものや、その後に制作された新作を含めて水江未来作品のすべてといえるほどの展示をした。そこから通して見えることは、今までの商業と非商業の間に在った表現の境を越え、自由な表現で作品を気負うことなく制作し発表する活動スタイルは、従来の映像作家とは異なる、新しい世代の作家として作品と共に注目していきたい。

(由良 泰人:Lumen Gallery プログラムディレクター)


■上映作品
JAM,PLAYGROUND,TATAMP,AND AND,MODERN No.2 SCOPE,QUAILS,WONDER,Anniversary,POKER,TENSAI BANPAKU,RETRO FUTURE

■モニター展示上映
Timbre A to Za,FANTASTIC CELL,DEVOUR DINNER

水江 未来 (アニメーション作家・イラストレーター)
「細胞」や「幾何学図形」をモチーフにした、物語のない音 楽的なアニメーションを制作している。その作品は、ヴェネ チア映画祭やベルリン映画祭でワールドプレミア上映され、 世界最大のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメー ション映画祭では日本人最多の2度受賞するなど、国際映 画祭で高い評価を受けている。国内では、2014 年に GLAY とコラボし、『GLAY EXPO 2014 TOHOKU』のア ニメーション映像の演出や、マスコットキャラクターのデ ザインなどを手がけた。同年、自身の短編作品を集めた、 映画『ワンダー・フル !!』が全国劇場で公開。 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース、京都 精華大学芸術学部映像コース・非常勤講師


~おいしいさくひんめしあがれ~ もぐもぐシアター cooked by seika eizo 2015年6月9日(火)

出展者(京都精華大学 芸術学部 映像コース): 會田萌 柏木昌生 くらたてさえ 栗原緑 榑松夏美 ササキマイコ 軸屋尚子 ナカムラリナ 清水萌子 林菜摘すわみずほ 田中大樹 筒居郁也 早川輝 杉山潤一郎 廣瀬衣美 藤原美里 まろちゃん


オガサワラ ミチ展 "tone" 2015年6月19日(金)〜28日(日)

電子音楽 × 絵 Masahiko Takeda × Michi Ogasawara
(電子音楽家と画家の実験的ライブセッション)OHPライブドローイング DJ:Masahiko Takeda


ANIMETION BANQUET 2015年7月11日(土)〜12日(日)

作り手と観客とが気軽に交流できる "ANIMATION BANQUET"=「アニメの宴」という名の上映会。 インディペンデントなアニメ作品の裾野が広げる。

代表;スタジオクロノ 中西亮介
カサスリム&トモダマコト ブルースハープ・ミニライヴ(7/12)


『何かを何かのためにしておくために』玉利萌々子・中村朱里 作品上映会 2015年7月28日(火)〜30日(木)

二人の作家の多様な映像作品(アニメーション・実験映像・ドラマ・ドキュメンタリー)を上映


rei harakami Image Works 原神玲 映像作品展 2015年7月21日(火)〜26日(日)

映像作家の原神 玲、その貴重な上映会と展示

音楽家としての活動が著名な rei harakami こと故 原神玲の映像作品上映会が開催された。彼が rei harakami として音楽シーンに登場し始めたのが1996 年、それ以前の数年間、映像作家として数々の短編作品を発表していたことを知る人は多くない。その貴重な作品群と絵コンテや上映に関わる資料、活動年表が一般公開され、280人を上回る来場者数を記録した。


■上映プログラム
「さようなら(抜粋版)」(1989)
「イスでタビ」(1990)
「はじまり」(1990)
「波」(1991)
「カエルのジョニー」(1992)
「山からきたくじらやろう」(1992)
「おひるにかいもの」(1992)
「そしてそれは、それ以上でもないし、それ以下でもない。」 (1992-1993)
「机の女」(1993)
「ヴォワイアン」(1995)
(林 ケイタ:Lumen gallery プログラムディレクター)


VIDEO PARTY KYOTO 2015 2015年8月1日(土)〜2日(日)

今回で3回目となる個人映像 38作品の上映展

VIDEO PARTY はジャンルを問わず、個人によって制作された多様な映像発表の場として企画された公募上映展である。3回目の開催となる本展では公募31作品、台湾の映画祭からの招待作品7作品の合計38作品、4時間30分に及ぶ充実した作品が集まった。また数作品を昨年より交流のある台湾の「青春世代影展」で上映、さらに「2015 釜山京都交流上映会」に参加、マカオの「當下未來影展」でも上映するなど、アジアを中心に作品交流を進めている。

■出品作家 赤木 崇徳 / 浅野 千里 /art unit COCOA/ 市毛 史朗 / 伊藤 仁美 / 植田 翔太 /FMC イラスト工房 / 海上 梓 / キム ダ ンビ / 小池 照男 /K.Kotani/ 諏訪原 早紀 / 田中 美菜子 / 玉利 萌々子 / 田村 愛 / 程 弘志 / 中西 亮介南條 沙歩 / 林 絵美 / 林 香奈 / 林 史生 / 東 遼太 / 福井 麻理 / 松井 蛙子 / ミコシバ / 三ッ星レストランの残飯 / 守山 志保 / 由良 泰人 / りーるとぅりーる Ryota / CHAN DER-LU / Nai Wei Liu / Chen You-Ren / Tsai Chun Pin / Chiuan,Huei-Lai / Tsai YiChin+Lu WanJou / Eartha Lin (敬称略)

(由良 泰人:Lumen gallery プログラムディレクター)


Art Sort Boot 2015 2015年8月24日(火)〜30日(日)

galleryMainと合同企画の公募グループ展

galleryMainとの合同企画の公募展が開催された。 映像ギャラリーLumen galleryと、スチル写真専門のgalleryMainが協力して実現した初めての合同企画である。壁面が漆黒のルーメンか真っ白のメインかを希望者は選択出来る。
2015 年は 23 名の出展者が集まり、黒壁希望が6名、白壁希望が17名。各自工夫を凝らして、幅1.2m×高さ3m、奥行30cmの空間に、自由に作品を展示した。
殆どが写真家によるスチル作品ではあったものの、絵画、立体、映像、漆器などの作家も出品してくれたので、作家交歓会は大いに盛り上がった。思えば、この異ジャンル作家交流も本企画の大きな目標のひとつであった。また、本公募企画への出展作家は、今後、いずれかのギャラリーにて個展する際に優遇措置が設けられているのもユニークな特長である。次回はさらに多彩なジャンルの作家が参集してくれたらと思う。今後も毎年8月に開催予定。

(櫻井 篤史:Lumen gallery プログラムディレクター)


LEADY 2015年9月1日(火)〜6日(日)

第3弾!!京都精華大学映像コースの在校生・卒業 生の女子による有志上映会

出展作家 治井さくら/込山愛里/神尾未歩/マスヤユキ 岩崎圭/ササキマイコ/くらたてさえ/早川輝 まろちゃん/ナカムラリナ/すわみずほ
●ゲスト作家 佐藤絢美/中田愛美/内藤日和/藤沢菜穂 金子沙彩


澳門當下未來影展 京都上映 2015年9月19日(土)

マカオ當下未來影展のセレクト作品を上映

日本・台湾・澳門の個人制作映像交流の今後へつ なぐ、特別公開無料試写。

主催:未来電影日+VIDEO PARTY KYOTO


ANIMETION BANQUET 2015年10月10日(土)〜11日(日)

呑んで、語らう自主制作アニメの上映会第2弾

作り手と観客とが気軽に交流できる"ANIMATION BANQUET"=「アニメの宴」という名の上映会。インディペンデントなアニメ作品の裾野が広がる。

主催・運営;スタジオクロノ 中西亮介 http://studio-chrono.com/banquet


Lumen Cinematheque

Lumen gallery の企画軸のひとつ、映像作家個展が始まった。Lumen Cinemathequeという括りで、知己を得た作家を有名無名・老若男女問わずにとにかく、個人映像作家を紹介し続けようという試みである。

櫻井 篤史 (Lumen gallery プログラムディレクター)


Lumen Cinematheque Vol.1 かわなかのぶひろ 映像個展 2015年9月11日(金)〜13日(日)

日本の実験映画の草分け的存在

主催:Lumen gallery

Vol.001 は、かわなかのぶひろ氏。《2015.09.11~ 13》同氏は、日本における実験映画の系譜の中で、特に継承・発展に寄与された特筆すべき作家で、現在に至るまで日本の実験映画シーンを牽引するイメージフォーラム創始者のひとりでもある。当ギャラリーのシネマテーク第一回として相応しい作家としてお願いした。初期の実験性が高い短編から、最近のビデオ記録をベースにした友人・知己、そして自身のプライベートな事情を丹念に捉えていく作風の中編まで、18作品をオリジナルフォーマットで上映する事ができた。


Lumen Cinematheque Vol.2 袴田浩之 映像個展 2015年10月2日(木)〜4日(日)

浜松「シネマヴァリエテ」の中心メンバー

主催:Lumen gallery

Vol.002 は、浜松の鬼才、袴田浩之氏《2015.10.02 ~04》同氏は、日本で最も歴史あるシネマテークのひとつ、シネマ・ヴァリエテの現代表であり、その強烈な作風はマニアックなファンを痺れさせる不思議な魅力に満ちている。今回、自宅を物理的に破壊するという幻の処女作『蝉ヌード』が上映出来た事は奇跡である。また、最新三部作『背徳の音/壱・弐・参』を含め、同氏の作品の殆どを見渡せた事で、時代に即して変遷する作家の心情と、通底してぶれない「軸」のようなものが共にあぶり出せて非常に興味深い企画となった。


Lumen Cinematheque Vol.3 伊藤高志 映像個展 2015年10月29日(木)〜11月1日(日)

日本を代表する実験映像作家

主催:Lumen gallery

Vol.003 は、残念ながら 2016年3月31日付をもって、故郷九州の大学へ転勤が決まった日本実験映画界の重鎮、伊藤高志氏のほぼ全作個展である。
《2015.10.29~11.01》今回は、殆ど同内容のレトロスペクティヴを、この春、第61回オーバーハウゼン国際短編映画祭にて紹介されて以降の上映だが、実はこれが国内初の個展である事は意外である。長年、教鞭をとりながら、40年に渡り20数本の作品を作り上げてきたその軌跡を、多くの教え子はもちろん、実験映画に馴染みの薄い映画ファンにも、個展ならではの醍醐味でじっくりと味わっていただく事が出来たのではないだろうか。



Letter Vol.01 2015年5月25日発行

Letter Vol.02 2015年11月25日発行

Letter Vol.03 2016年10月25日発行

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